ミリタリーパンツといえば、アメリカ陸軍（U.S. ARMY）に採用されていた6ポケットのカーゴパンツやファティーグパンツなどが一般的だが、アメリカ海軍（U.S. NAVY）にも質実剛健なパンツが存在していたのをご存知だろうか。今回は、かつて実際に米海軍に採用されていた『デッキパンツ』に、現代風のアレンジを加えて再現した「ヒューストン」の注目作をピックアップする。
『デッキパンツ』とは？
第二次世界大戦において、アメリカ海軍（U.S. NAVY）に実際に採用・支給されていた防寒作業用パンツのことを指す。
雨や雪、寒風の吹き抜ける過酷な甲板上で作業する海軍兵士の防寒作業着として開発されたため、表地には肉厚で頑丈な生地が使用され、裏地にはウールを使用したブランケット風の生地が配されている。とにかく頑丈で防寒性に優れたデザインだった。
また、ウエストにベルトを必要としないオーバーオール風のデザインも特徴的。汚れや摩擦、風雨から中に着た衣類を保護する目的、さらに防寒対策としても役立つ。
古着店に行けば、稀にヴィンテージの『デッキパンツ』と出会うこともあるが、着用できるものに出会えることは稀。というのも、実物の『デッキパンツ』は、とにかくファットなシルエットで作られており、デイリーウェアとして着用できるレベルのサイズ感やシルエットを見つけるのが非常に困難だからだ。
その点、今回紹介する「ヒューストン」の『デッキパンツ』は、実物のディテールなどを忠実に再現しながらも、デイリーウエアとして着用できるよう多くの点に手が加えられている。
ファットなシルエットは、デイリーシーンで着用しやすい程よい太さに調整され、裏地に配されているウール生地が排除され、春先や秋口など幅広いシーズン着用できるよう一重仕立ての作りとなっている。
また、素材には「ヒューストン」の『N-1デッキジャケット』と同じ、肉厚で堅牢な日本製のヘビーピケ素材が使われている。
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デッキパンツにも前期と後期モデルが存在するが、今回紹介するモデルは『DECK PANTS（LATE MODEL）』、いわゆる後期モデルだ。
一着持っていると、デイリーウェアとしてはもちろん、作業服として、キャンプウエアとしてなどなど、幅広いシーンで活躍してくれるはずだ。
『デッキパンツ』のディテール
N-1デッキジャケットと同生地を使用
「ヒューストン」を代表する名作『N-1デッキジャケット』に使われている肉厚で堅牢な生地と同じ、日本製のヘビーピケ素材が使用されている。『N-1デッキジャケット』同様の経年変化が期待できる。
程よいシルエット
実物はかなりファットなシルエットだが、この『デッキパンツ』はデイリーシーンでの着用がしやすいよう、程よい太さのシルエットにアレンジされている。
吊りカン
ウエストにベルトループはなく、オーバーオールのように“吊りカン”によってずり落ちないように着用する仕組み。堅牢な吊りカンには、ボタンをしっかりと固定できるギミックも。
サイドはフック仕様
『デッキパンツ』の前期モデルは、フロントにボタンが付いているデザインだが、後期モデルはサイドがフック仕様となっている。ボタンに比べて、着脱がスムーズに行える。また、見た目的にも新鮮に映る。
両サイドにポケット付き
フロント、バック共にプレーンなデザインだが、両サイドにはポケットを完備。デイリーウエアとしての実用性もしっかりクリアしている。
裾にドローコド
裾の外側にはスリットが入っている。これは、ゴツめのブーツの上から裾をかぶせることができて便利だ。また、裾先にドローコードも備えており、太さの調節ができる。
『デッキパンツ(後期モデル)』
OLIVE DRAB
NAVY
TAN
DECK PANTS（LATE MODEL）
各部のディテールなどを忠実に再現しながらも、実物に採用されていたウールライニングを排除し、春先や秋口など幅広いシーズンに着用できる軽快な仕様にアレンジされた『デッキパンツ』。素材には「ヒューストン」を代表するモデル『N-1デッキジャケット』と同じ、日本製のヘビーピケ素材を採用しており、長く着込むことで経年変化も楽しめる。カラーは、オリーブドラブ、ネイビー、タンの全3色を展開。
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